2011/08/04

復興支援ボランティア 事前オリエンテーション

宮城県石巻での復興ボランティア活動に参加するにあたり、事前説明会
(オリエンテーション)に参加してきた。


私が参加する国際交流団体NGOピースボートのボランティアでは、
参加者はクリーン、デリバリー、ストア、キッチンなる4つの作業グループの
いずれかに入り、作業に当たる。
「クリーン」は被災地のヘドロや漁業器具の清掃等、「デリバリー」は
物資運搬の配布、「ストア」は倉庫の管理や仕分け、「キッチン」は炊事、
といった内容だ。ある程度希望の作業を選べるが、デリバリーとストアは、
運転免許保有者のみ従事可能である。


私は当初、炊事係の「キッチン」を希望したが、必要人数に対し、数名多い
希望者が集まった。そこへ、眼力強めでテキパキとしたピースボートスタッフが
サッと現れ、希望者が一カ所に集められる。
腹の底から湧き出るかのような声、活力みなぎる眼光。This is NGOなのか。


「この中で、調理師免許を持っている方!」
 …誰もいないらしい。
「では、飲食店等で調理経験のある方で、現在も毎日料理されている方!」
 ここで、一名ふるい落とされる。しかしそれでもまだ人数が多い。
「なおかつ、料理の手際と腕に、自信のある方!」
 …ううっ、、やる気はあるが実力にあまり自信が無い私は、ここで脱落。
「ありがとうございます!チームメンバー、これで確定です!」
 パチパチパチ


というわけで、私は「クリーン」に所属する事に。
仕事内容は、家屋の泥を掻き出す作業、カキやホタテの養殖網の修復作業の
手伝い、被災者の避難先で、寝具のダニを除去する作業等。被災者も、頻繁に
布団を干したりできない場所で、もう5ヶ月も暮らしているのである。


家屋からかき出す泥(ヘドロ)は、津波により海底からうち上げられたもので、
重金属、汚染物質、雑菌などの温床。皮膚に付着したり、乾いて粉塵化したもの
が目に入ると、たちまち感染症を起こすらしい。
作業の際には、真夏でも長袖長ズボンの上に防水ウェアを上下着て、ゴーグルに
防塵マスクに分厚い作業グローブ、踏み抜き防止の鉄板入り長靴、帽子か
ヘルメット着用で作業に当たるという。


また、いまだに大きめな余震が発生しているので、津波がくる危険性、
亀裂などが入っていた家屋が倒壊する危険性、つい数日前には1時間当たり
10シーベルト(1万ミリ・シーベルト)以上もの高い放射線を検出した
福島第一原発の状況が、一気に悪化する危険性もある。


…1997年にロシアの重油タンカー、ナホトカ号が座礁し、福井県三国沖に流れ
着いた重油を撤去した際も重装備で作業に当たったが、あれは厳冬期の日本海の
強風が厳しかった以外、余震や放射能や津波の心配などはなかった。
むしろ、一心不乱に牛のウンコのような重油をスコップですくっては袋に入れる
作業がツボにはまり、若干トランス状態になっていたし、被災者の方たちも、
大変な状況ながらもまだ笑顔があった。
今回はよりいっそう緊張感を感じ、武者震いがする。

たった9日間の参加とはいえ、リスクが無い訳ではない。
放射能を浴びたくはないし、何よりまだ死にたくないので、恐ろしくないと
言えば嘘になるが、そこにはまだ大勢の人が住んでいるのだし、
必要な作業も山積している。

ボランティアの参加者に配られた冊子の中の「現地派遣ボランティアの心構え」の
中に、こんな項目があった。

「被災者の方々の多くは、家を含め財産全てを失われたり、肉親を亡くされたり
しています。しかも避難所では、過酷な環境の中5ヶ月以上も共同生活を
強いられています。被災した方々のお気持ちやプライバシーに十分配慮し、
マナーある行動と言葉づかいで支援活動に参加してください。
また、被災者の方々に対する過度の同情や、押しつけがましい励ましは慎み
ましょう。被災者の方々のお話を真摯に聞き、そのお気持ちを理解する事が、
支援活動の基本です」

いよいよ明日の夜、出発。

「小さな親切、大きなお節介」にならぬよう、気をつけようと思う。

2011/08/03

わたしのにゃんこ

まだ幼稚園生だったころ、NHKみんなのうたで聞いて、
強烈に印象に残った歌がある。矢野顕子の「わたしのにゃんこ」。
思えば私の矢野顕子熱も、この頃からすり込まれて発症したのかもしれない。


学校の帰り道で捨てネコを見つけるも、家では飼えないので、
友達と給食を持ち寄り、みんな飼う事にきめる。
しかしある日、ネコは消えてしまう。(給食の残りを持ってくるくだりは、
みんなのうたのなかには収録されていない)


似た経験をした人も、多いのではないだろうか。


初めて会ったネコを「私の友だち、ちいさな友だち」と愛おしむ心、
家では飼えないけれど、給食の残りで育てようとする子供心、
突然いなくなったネコを必死に探す子どもたちの胸の内、
行方のわからないネコの幸せを案じる気持ち、全てが凝縮された、
矢野顕子の珠玉の1曲。



「わたしのにゃんこ」


作詞作曲 矢野顕子 
編曲   坂本龍一


いつもと同じ帰り道
オー にゃんこ
可愛い鳴き声 聞こえる
オー にゃんこ


どこからきたの?
誰かを待っていたの?
わたしのともだち 
ちいさなともだち

給食の残りのコロッケあげる
冷蔵庫からアジの干物あげる
うちじゃ飼えない
ママに叱られるから 

わたしのともだち 
ちいさなともだち


ようこちゃんもしんじくんも来たよ
わたしたちみんなで飼うって決めた


知らない街の
はなしを聞かせてよ
わたしのともだち 
ちいさなともだち


いつもと同じ帰り道
オー にゃんこ
おまえの姿が見えない
オー にゃんこ


みんなで探す 夕焼けが消えるまで
わたしのともだち 
ちいさなともだち


幸せでいるの?


わたしのともだち

2011/08/02

ボランティアに参加したくなったワケ 

東日本大震災の復興ボランティア活動に、参加する事にした。


失業して、はや2ヶ月。


忙しく働いていた頃には、休みが取れたら英語とフランス語の
集中講座に通おうとか、家中片付けて綺麗にしようとか、料理教室に行きたいとか
あれこれ考えていたのに、いざ連日ヒマになると、エンジンがかからず鬱々。


家の中で三十路過ぎの女がウダウダしているというのは、連日朝から晩まで
働いている彼にも、一応水泳とか習字とか頑張っている娘にも、申し訳が立たない。
なにより私自身も、スッキリといい気分になれず、胸くそ悪い。


こんな生活を続けていたら、あっという間に精神と肉体がブヨブヨになって、
彼にも捨てられ、娘も非行に走り、私は永遠の社会的不適合者になるやもしれん…
などと、飛躍した強迫観念すら頭をもたげてくる。
実際、ヒマとエネルギーを持て余し、情緒不安定になっている。


自分のグータラ加減に嫌気がさして、という参加動機もかなりお粗末なのだが、
そう遠くない場所で、古今未曾有の大災害で困っている人が沢山いるのだから、
この際、被災地で働いて来よう、と思い立った。


いあ、今までも、ツイッターや各種メディアを通じ、臨場感溢れる現場の状況を
聞いたり、液晶画面や紙面を通じてみる被災地の映像を見て、自分自身の 
“傍観者加減” に歯がゆさを感じていたというのもある。


なんせ私の日常の中では、牛乳や魚介類の購入を控えたり、節電を心がけたり
するくらいで、家も全く壊れていなければ、水道も電気もちゃんと通っており、
日常生活になんら支障はない。
テレビや新聞を通じて悲惨な被災地の状況を見たり、節電等はしていても、
私にとってやはり、東北の惨状はどこか「人ごと」なのである。


自分の中にあるその「自分には関係ない」的な感覚が、嫌だった。


「立派な人になりたい」といういやらしい欲望の現れなのかもしれないが、
なんだか、とにかく、ものすごく嫌だった。


ただ、自分も子どもが居るのに、いつまた余震や津波が起こるかもわからず、
場合によってはタップリ被爆の可能性もある場所に自ら出向くというのは、
無責任なのかもしれないとも悩んだ。…でも、行きたい。
娘には申し訳ないけれど、行かなかったら将来後悔しそうな気がする。
将来私がおばあさんになった時「あの時、行っておけば良かった」と思うのは嫌だ。

嘘か本当か2ちゃんねる発祥らしい「やらない善よりやる偽善」というフレーズも
脳裏に浮かんでくる。。。

決めた、行こう。
行って、思いっきり作業に当たってこよう。
無責任で独りよがりな自己満足かもしれないけれど、行かせて頂きたい。

善は急げと、被災地に取材に行っていた友人に意見を聞いたり、ネットで調べたり
して、某国際交流NGO団体が主催している、ボランティアツアーに参加する事にした。


参加条件を見ると、余震・津波・家屋の倒壊などによる怪我、そして放射能汚染の
リスク等の側面からしても、決して安全な場所ではないので、その点もふまえた
上で、家族の同意を得てから参加するように、という項目がある。
早速ビビるが、まあ、当然必要な事だろう。


ツイッターを通じて、ボランティアに参加した人々から、装備品の
アドバイスなども届く。知らない人とつながれる瞬間は、いつも嬉しい。


参加日程も決まったので、次はオリエンテーションに参加してくる。

こどもの意見

お母さんが地方で公演中の女の子2名を、うちでお預かり。
娘の親友で、おしゃまで美人な小学校3年生と1年生。


私は最近、自分の子が海外に行っており、母パワーを持て余し気味だったので、
子どもが2人も家に来るとなると、まるで孫が遊びにくるお婆ちゃんの様な心境。
買い物にくり出し、食材を選びながら、ラザニアを作ったら喜んでくれるかしら
とか、お風呂は泡風呂にして水鉄砲も用意しておこうとか、どうにもこうにも
ワクワク感を抑えきれない。


お客様達を学童にお迎えにいき、泡風呂で1時間ほどはしゃいで頂いた後、夕食。
3人で食卓を囲みながら、いつの間にか話題は、私と彼との関係および、
子連れ国際再婚の詳細に及んだ。(年齢に関わらず、女が数人集まると、
大抵スリリングな話題が出てくるものだ)


私は現在、前夫との間に生まれた8歳の娘と、カナダ人の彼と3人で暮らしている。
彼とは来年入籍する予定なのだが、そのことについて小1のお客樣、実ににこやかに、


「でもさ、前にも離婚してるから、また結婚して離婚することになったら
ヤバいよね!!」


ぬぬぅ。それは確かにマジヤベーよ。


小1のくせに、ピンポイントでイタいところを突いてくる。
子どもに指摘される事柄は往々にして、大人も思ってはいても口に出せない内容で
あることが多いので、大変貴重な指摘である。ちなみに、うちの玄関周りは
ゴチャついているので、片付けた方がステキになるという鋭いご指摘もあった。


当然、子連れ再婚であろうとなかろうと、離婚するような状況になることは避けたい。
ただ離婚とは、せずに済めばそれに越したことは無いが、
それぞれがより良く生きていくために、必要な場合もあったりする。


「離婚は悲しいけれど、離婚してからの方が、仲良くできる事もあるんだよ。
でも今回は離婚するような事にならないように、新しい旦那さんを大事にするよ!」


…大量生産の食パンの様な回答で申し訳なかったが、
子どもたちは、ニコニコとしながら「うん!」と答えてくれた。


あと十数年もすれば、この子たちも、こういう話がよりリアルに
わかる様になるのかな。わかる様になる頃には、今より
楽しい事も悲しい事もいっぱい経験しているのかな。


そんな事を考えながら、おかわりのラザニアを取り分ける。
小さなお客様方は、「おいしーい!」と満面の笑顔で連呼して、沢山食べてくれた。


しなやかな優しさと強さを持った、素敵な人に育っておくれ。
二人の笑い顔が、夏の朝、水を浴びて輝くカラウスリの苗木のように見えた。





2011/07/27

ストリップショー、見た。

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